シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
それを守るようにすっと前に飛び出た玲様が、その足を手で弾く際に、外気功を発動する。
それを身を捩って躱(かわ)した久涅の横で、
「うっわーゾクゾク~。じゃあ周涅ちゃんも…愉しませてね?」
櫂様の胸の位置に掌打が放たれる。
早い。
しかしそれを、宙に飛んでひらりと躱した櫂様。
「ふふふ、そうこなくちゃ!!!」
気が――鋭いものへと変わる。
櫂様、玲様。
お守りしなければ…。
私が、私が…!!!
よろよろと立ち上がった私は、裂岩糸がないことに今更気づいた。
糸を支える指と、指を支える肋骨に激痛が走る。
身体は無意識にと前傾となり、呼吸が苦しい。
「セーフ!!!」
遠坂由香が飛んで来て、私の身体を支える。
その微かな震動でも、私は痛みに唇を噛みしめた。
「駄目だよ、君は!!! 凄い…熱出してるじゃないか!!! 少しだけでも師匠の結界の中で、回復させないと…本当に死んでしまうぞ!!?」
目の前では、2組の戦闘。
その衝撃の大きさは…ここからでも判る。
切り裂かれる畳。
壁の破壊音。
ああ、お2人は…無事だろうか。