大切な大切な幼なじみ--2--


「翔太…私も好き」


消え入りそうな小さな声で言った。

ずっと言いたかった言葉。

ずっと言えなかった言葉。

私の胸にしまっていた、大切な言葉。


「…桜、あっちで彼氏いた?」


“あっち”とは、春風中のことだと思う。


「いないよ」


私が答えた瞬間、私たちの上に影ができた。


「へぇ…翔太ってそういうキャラやったん?」


その影は、啓史が作っていた。





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