大切な大切な幼なじみ--2--
「俺のことは名前で呼んでくれんの?」
少し意地悪そうな顔でうみの顔を覗き込む真鍋くん。
「え…恥ずかしいもん」
うみの顔は“これでもか”ってくらいに赤い。
「あ…そろそろ時間?」
私は翔太の腕時計に目をやって気づいた。
「あ…行くか」
翔太も椅子から立ち上がって私の手を握った。
まだ慣れてない私は恥ずかしくて体中が熱くなる。
「ほら、行くぞ」
真鍋くんもうみに話しかける。
「あ…うん…空」
消え入りそうな声でうみは真鍋くんの名前を呼んだ。