大切な大切な幼なじみ--2--
「よし!」
俺はやっと発信ボタンを押した。
RRR…
ガチャ
え…出るの早くない!?
俺はまだ準備ができていなかった。
「はい、もしもし?」
聞こえてきたのは桜の声じゃない。
「宮田さんのお宅でしょうか…」
桜は“村田”だけど、桜のばあちゃんは“宮田”。
俺は言い慣れない苗字に少し緊張した。
「はい、そうですが?」
「あの…村上翔太といいます。桜さんは…」
「ちょっと待ってね」
言い終わらない内に遮られた。