覆される都市伝説
「…ナナオさん、少し元気がないようでしたね」

「祭りでイヤなヤツに会った」

わたしがいなくなった後、ソウマさんとマカはリビングのソファーセットで向かい合っていた。

「どなたですか?」

「魔女のリリス。ナナオにすれ違いざま、余計な一言を言っていた」

マカは忌々しそうに言う。

「そうですか。まあ魔女である彼女ならば、ナナオさんの正体も一目で見抜けるでしょうしね」

「だがあの反応を見る限りじゃ、魔女の差し金という線も消えた。案外会っても良かったのかもな」

「まあそうですが…。もうすぐ期日ですね。彼女はどんな結果を出すんでしょう?」

ソウマさんは心配そうに、寝室の方に視線を向ける。

「さあな。何もハズミやマミヤみたいなのが当たり前という訳ではあるまい。どんな結果を出そうが、それはナナオ自身が選んだことだ」
< 100 / 161 >

この作品をシェア

pagetop