覆される都市伝説
「とりあえず、今までありがとうございました」

エプロンを脱いで、元のセーラー服に着替えたわたしは、深々とマカに頭を下げた。

「マカと過ごしたこの数日間、本当に楽しかった。生きている時より、楽しかった」

「そうか」

「うん…。だからマカの眷属になって、生きるのも楽しそうだと思った。ハズミやマミヤを見ていると、余計にそう思えた。だけど…」

わたしは唇をぎゅと噛んだ。

「…やっぱり、わたしはわたしの役目を果たしたい。マカから見れば、ホントにバカなマネをしていると思うでしょうけど…」

それでもマカは、わたしから眼をそらさない。

その心と同じく、澄んだ眼で見てくる。

「でもわたしが決めたことだから。バカなことでも、わたし自身が決めたことだから…。やり続けるわ」

「…そうか。分かった」
< 103 / 161 >

この作品をシェア

pagetop