覆される都市伝説
ハズミは分かっているように、頷く。

「だからこそおかしいと思わないか? キミが死んだのは、そもそも近年じゃない。生前のキミは、今のやり方で人を殺そうだなんて思っていたのか?」

「そっそれは…」

わたしはわたしをイジメた人間達を殺したかった。

それにウソはない。

けれど他の何の関係もない人を、不幸にして苦しめて殺したかったワケじゃない。

「それにナナオ、キミは自分が取り付いて殺した人間がどういう人間だったのか、知っていた?」

「えっ?」

ハズミの言いたいことが分からない。

「どういうって…ただ単に、わたしのサイトにアクセスして、小説を読んだ読者の一人…」

「じゃない。そうじゃないんだ」

ハズミは苦しそうに、首を横に振った。

「キミが殺してきたのは、イジメをしていた人間なんだ。つまり…キミが憎しみの対象としていた人だね」
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