覆される都市伝説
「きゃっ!?」

「ちょっとキツイかもしれないけど、ガマンして! 一気に駆け抜けるから!」

ハズミの声が、遠くに感じる。

やがて白い光が目の前に迫り、わたしは眼を閉じた。

 ドサッドサッ

「ハズミとナナオ、ご帰還~。マミヤはもうすぐかな?」

少年の声に驚いて顔を上げると、マカの寝室に来たことを知った。

「ここ…マカの寝室、よね?」

「いたた…。うん、そう。あっ、ナナオ。早くここからどこう」

ハズミに腕を引っ張られ、わたしは起き上がる。

どうやら敷布団の上にいたらしい。

その近くにはテーブルとノートパソコンが置いてあり、でも画面は不思議な赤い模様が浮かんでいた。

暗い画面に浮かぶ、真っ赤な模様。

それを間近で見つめる、一人の少年。

「セツカぁ、もうちょっと優しい出入口、作れなかったのかよ?」
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