覆される都市伝説
しかし女の子は答えることなく、いきなり立ち上がり、こちらに歩いてくる。

『えっ? なっ何?』

床に座り込んだままのわたしの目の前に膝をつき、マジマジとわたしの顔を見る。

そしてゆっくりと全身を見ていく…んだけれど、何かこの視線、危険な感じがするのは何故?

「…うん、七十点だな」

『はっ? 何がっ?』

思わず裏返ってしまった声。

だけど女の子は構わず、手を伸ばしてわたしの頬に触れた。

「おおっ! 流石は死霊、冷たいな!」

そりゃあ肉体がないから、冷たくて当たり前なんだけど…。

と言うか、この人、普通にわたしに触っている…。

……何で?

「うむ。これなら眠れそうだ」
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