覆される都市伝説
けれどそれは悪魔の囁き。

真っ白な修道服に身を包むのは、聖母の顔をした悪魔。

何故、わたしは悪魔だと思うの?

…ああ、そうか。

わたしは、取り引きをしたんだった…。

復讐をする代わりに、自ら命を……。

「あああっ…! そっんな…そんなっ…!」

「―やっぱり『黒い十字架』がキーワードだったか」

コウガの呟きが、ひどく遠くから聞こえる。

「オレの声は聞こえているね?」

「えっええ…」

頭を抱えながらも、それでも絞り出すように声を出した。

「それじゃあ続けるね。ナナオの通う施設はオカルト的なモノだった。しかも残念ながら、邪教と言えるモノ。そこのヤツらはナナオのように、心に傷を負った子供を意図的に集めていたんだ」

「何のっ…為に?」

「…自らの主に、その体を捧げる為にだよ」
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