覆される都市伝説
「キミの悲しみは分かるよ。けれどキミはキミ自身のことを、ちゃんと知るべきだ」

「わっわたしは…」

取り引きをした。

自らの肉体と引き換えに、憎いアイツらを不幸にすることを。

…けれどそれだけじゃ、すまなかった。

疑問は確かに感じていた。

何でわたしは憎い相手を殺したのに、存在し続けるのだろう…と。

そこでコウガはわたしから視線を外し、ハズミを見る。

「ハズミ、どこまでナナオに話した?」

「ん~っと。とりあえず、ナナオが今まで殺した人間の種類と、殺される条件は簡単に」

テーブルセットにはハズミとセツカが座っていて、こちらの様子を見ている。

「そうか…。ならナナオ、オレが調べ上げた真実を、今から隠さず語ろう。キミには衝撃的な真実が多いだろうが…どうか受け入れてほしい」

真剣なコウガの視線を受け止め、わたしは頷いた。
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