覆される都市伝説
「それじゃあ…わたし達の肉体を食べさせたのは…」

「案外ムダではないだろう。と言うより、最終的にはお前達の魂を、そいつに食わせようとしただろうよ」

体だけじゃなく、魂までも…。

改めて思うと、血の気が引く。

「多分肉体を食べさせて、ある程度の存在を維持させているんだろう。そうして魂が集まったら、それを食べさせる。そしてまた信仰するんだろうね」

セツカが人ごとのように言うけれど、わたしは改めてここに戻って来て良かったと思う。

シスター達に利用されていたことも怖いけれど、あの化け物に再び喰われることになっていたなんて…考えたくもない。

想像もしたくない。

「…でもわたし一人がここに来ても、残っている人達がっ!」

そうだ。サイトには犠牲者が残っている。

慌てて立ち上がったわたしを、マカが制した。
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