覆される都市伝説
「私達のように、能力を身に付けたいか?」

「それもあるけど…。まずは強くなりたいわ。それも人を傷つけるんじゃなくて、人を…何かを守る強さが欲しい」

そう、ずっと思っていた。

マカ達は優しいとは言い難いけれど、人を、そして何かを守る強さがある。

そしてその強さを誇りに生きているからこそ、輝いて見えるんだ。

闇に属するのに、その輝きは決して濁らない。

「まっまあわたしじゃ時間はスッゴクかかるだろうけど、ちょっとでもそういう存在になりたいの」

照れながら言うと、マカはふと表情を崩した。

「確かに先は長いだろうな」

「うっ…。やっぱりそう思う?」

「ああ。だが女の方が根性はあるからな。これからよろしくな、ナナオ」

そしてマカは微笑んで、わたしに手を差し伸べてくれる。

わたしは今度こそ―迷いなく、マカの手を握った。

「うん、これからよろしくね」
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