覆される都市伝説
 ゴゴゴゴゴっ…!

しかしマノンの声は、突如響いた地響きの音に消されてしまった。

やがて音は止み、再び静寂が訪れる。

「…どっかの扉が開いたかな?」

「だね。さて、そこはどこかな?」

リウが鳥に視線を向けると、鳥は再び移動する。

それは奥の部屋。

壁際には食器棚が置かれており、今度はそこをくちばしで突っついている。

「なるほど。マノン、影の力であの食器棚をどかせてくれる?」

「はいよ」

マノンの影が、ぐにゃっ…と動いた。

すると幾重もの紐のように伸び、食器棚を掴み上げた。

「おっ、ビンゴ。この食器棚の影に、隠し通路があったんだ」

「だな」

マノンは食器棚を窓際に置いた。

影は元通り、マノンの影に戻る。

「明かりは…あっ、スイッチがあった」
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