覆される都市伝説
「ああ」

「そっか…。なら、良いや」

わたしは無理やり笑って見せた。

「今はまだ戸惑いが大きいけれど、これ以上の被害者が出なくなったなら、喜ぶべきね。…でもマノンに感謝はできないわ」

「それで良い。マノンなど、許すことはない」

マカは辛そうに言う。

きっと本当に辛いのは、マカの方。

マノンが罪を犯せば、傷付くのはマカの方なんだ。

「マカ…。大丈夫?」

「ああ。これからまた、忙しくなるだろうけどな」

マカはそう言って苦笑し、ソファーに座る。

「ナナオ、お前にも動いてもらわなければなるまい」

「うん、良いよ。それにわたし自身が関わりたいと願ったことだし」

こんなに早く、そして意外な形で終わるとは思わなかったけど…。

関わることは、まだできる。

「ねぇ、マカ。これでわたしの都市伝説は完全に終わったのよね?」
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