覆される都市伝説
…黙っていれば、本当に美人なのに。

「んっ、んまい。が、ちょっと味が濃いな。味見しなかったのか?」

『味見ができるの?』

何かを食べることなんて、もう二度とできないと思っていた。

「さっき言っただろう? この部屋にいる間だけは、普通の人間と同じことができると」

つまり…寝ることや食事をすることも、可能ってこと?

確かに寝ることはできたけど…。

考え込んでいると、女の子は一つのサンドイッチをわたしの目の前に差し出した。

「ほれ、食ってみろ」

『うっうん…』

わたしは恐る恐る口を開けて、サンドイッチを食べてみた。

『っ! ん~しょっぱいっ!』

久しぶりに感じた味覚は、しょっぱさ。
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