覆される都市伝説
「…目的も何も、わたしの小説を読んだのなら分かっているでしょう?」

わたしは俯き、膝に置いた両手を握り締めた。

「お前をイジメた人間を殺す為に、お前は人成らざるモノへと成った。しかしその代償に、その後も同じことを続けることがお前の存在意義と成ってしまった。そのことに後悔は無いのか?」

「……別に。わたしはただ、アイツ等を殺したかっただけ。それ以上に重要なことなんてないもの」

自分でも分かるほどに、声が冷たい。

それは本音だったから。

心から思っている言葉だから、冷たくなるんだろう。

「じゃあ私がお前を解き放てば、同じことを繰り返していくつもりか?」

「そう…でしょうね」

最早どこへ行けば良いのか、分からなくなってしまった。
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