覆される都市伝説
「…あ~、まあな。卑怯、だとは言われた」

「卑怯?」

「『お前は良い顔を見せるが、心の中では女達をバカにしている』ってさ。まあその頃のオレは確かにそうだったから、否定はしなかったけど」

ハズミは遠い目をして、窓の外に視線を向けた。

今日も良く晴れていて、洗濯物が風で気持ち良さそうに揺れている。

「別に殺したいっていう殺意があったワケじゃなかった。けれど自分が原因で死んでも、何とも思っていなかった。自分とは全く無関係のコでもさ」

それは…わたしにも覚えがある感情だ。

わたしも自分が原因で人が死んでも、何も思えなかった。

だから今、こうして存在しているワケだけど…。

「でもマカが怒ったのは、人を殺すことじゃない。目的もなく、人を殺すことだった」
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