覆される都市伝説
―その夜も、わたしはマカより先に眠っていた。

マカはずっとパソコンに向かいっぱなし。

けれど今は画面に映る人物と話をしている。

「―そうか。やはり直接には関わりはなかったか」

「うん。シキにもいろいろ動いてもらったんだけどね。マカの同属や、また敵対勢力が動いたってことはなさそうだ」

コウガは僅かに難しそうな顔をしながら、マカを真っ直ぐに見つめる。

「ただ携帯彼氏のことを考えると、そういうモノを引き付けてしまうのが、マカの性質みたいなモノじゃないかと考えてる」

「寝言は寝てから言えっ! それとも眠れないほど刺客を送ってほしいか?」

「それは謹んでお断りします」

コウガは素直に頭を下げた。
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