覆される都市伝説
すでに肉体はないので、白と黒の存在に成ってしまった。

形こそ人を保ってはいるけれど、白黒写真に写ったような存在は、決して良いモノには見えないだろう。

そしてその形もぼんやりとしていたら、普通の人は一目見ただけで、恐怖に顔を歪め、絶叫する。

そう…いつもなら、そうだった。

わたしは読者へ視線を向ける。

黒く長い髪に白い肌、どうやら女の子みたい。

そっと近づく。

するとモゾッと女の子は動いた…と思ったら!

いきなり上半身を起こして、わたしをギロッと睨みつけてきた。

『へっ…』

思わずわたしの方が驚いて、身を引いてしまう。

そして女の子は顔を険しくし、これまた険しい声で一言。

「あづいっ…!」
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