覆される都市伝説
マカが手元にあった新聞を投げつけたものの、ソウマさんは軽くよけて、新聞は壁にぶつかった。

…って言うか、後ろから投げつけられたのに、何でよけられたんだろう?

後頭部に目でもあるんだろうか?

……マカの血縁者なら、ありうるかも。

「おい、ナナオ。お前何かおかしなこと、考えていないか?」

 ぎくっ

「あっ、わたし、お茶入れてくるね」

わたしは急いでキッチンに逃げた。

「ふふっ。相変わらず元気そうで良かったですよ、マカ。顔色は少々悪いみたいですけどね」

「余計なお世話だっ! それより浴衣、持ってきたんだろうな?」

「ちゃんと持って着ましたよ」

ソウマさんの両手には、二つの紙袋がある。

中から取り出したのは、白い箱だった。
< 78 / 161 >

この作品をシェア

pagetop