覆される都市伝説
「あの公園の奥に川原があってな。そこで花火が見れるが…人が多い。花火はウチの庭で見よう」

…そうだった。

マカのマンションには、ベランダではなく庭がある。

「あそこからの方が良く見えるし、静かだ。ここではある程度飲み食いして、土産も買って、花火を見よう」

「うん! 楽しみ」

マカは淡々と語るけれど、その横顔はどこか嬉しそう。

「あっ、ソウマさんのお土産も買わなきゃね。ソウマさんは何が好きなの?」

「ヤツは雑食だから、基本何でも食べる。まあ持ち帰れるものをやれば良いさ」

「うっうん…」

結構な言われ方だなぁ…。

でもさっきの二人を見ると、こういう会話は日常茶飯事なんだろう。

「あっ、でもカバン持って来れば良かったね」

お土産を持ち帰るにしても、両手が塞がっているとちょっとカッコ悪い。
< 87 / 161 >

この作品をシェア

pagetop