覆される都市伝説
「袋なら持ってきたぞ」

マカは袖の中をゴソゴソいじると、手のひらサイズの物を取り出した。

それを下に向けると、あっと言う間に大きな布袋になった。

…いや、布と言うよりはナイロン?

「げっ現代ってホント便利ね」

「だろう? こうやって小さくして、持ち運びできるんだからな」

そう言って同じ物をもう一つ取り出し、わたしに差し出した。

「ホレ、お前の分」

「あっありがとう」

袋はかなり大きいのだけど…その分、買うつもりなんだろうか?

まあマカなら有り得るかな?

公園の中はまだ明るいせいか、人はまばらだった。

「買い物するなら今が良いな。後は盆踊りの最中が空いているが…踊るか?」

「おっ踊るのはちょっと恥ずかしいな…」

「そうか。ならまず公園を一周しようか」

「うんっ!」

最初は恐る恐るだったけれど、どうやら周囲の人達にもわたしの姿は見えるようだった。
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