覆される都市伝説
ぶつかりそうになったらよけてくれるし、出店の人達は目が合うとニッコリ笑ってくれる。

…あったかいな。

いや、気温は暑いぐらいなんだけど、この場の雰囲気がとてもあったかい。

そう感じるようになったのはきっと…。

「ん? どうした?」

マカのおかげだろう。

「ううん。ねっ、何から始める?」

「最初は腹減らす為に、動くことにするか。射的でもするか?」

「わっ、やりたい!」

―その後、射的をやったり輪投げをしたり、クジを引いたりした。

わたしはそこそこだったのに、マカは異常な程強運で、狙った景品を必ずゲットしている。

射的では地域限定のマスコットストラップ5種類セット、輪投げでは可愛いぬいぐるみ、クジではクッキーの缶の詰め合わせ。

「…マカって強運なんだね」

わたしは射程でシャボン玉、輪投げでは袋入りの水風船、クジでは文房具セットを当てていた。
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