1/3の微妙なカンケイ

見ると、タクトがこっちにくる。

なんとなく、目立つ奴なので、女の子の視線は絡み付いてる。

あたしを見つけて、まっすぐにこっちに来る。

じってみてるあたしを見つめたまま、斉藤さんの席にどかっって座って。

「オレ、いいこと思いついたんだけど」

声をひそめるために、タクトがあたしを覗き込む。

綺麗に派手目に整った顔。

けど、もう一人の幼馴染と違って、あたしは、こっちは平常心で見つめ返せる。

「何を?」

「悠里、男嫌いだろ?」

「って、別にそういうわけじゃ。ただ・・・苦手なだけで」

そういうと、まだ聞こえはいいけど、苦手というより、若干気持ち悪い。

話したり、友人関係を築いたりする分には全く何も感じないんだけど。


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