1/3の微妙なカンケイ
奏ちゃんの前をすり抜けて、窓側の席にすわる。

奏ちゃんは、間髪いれず、隣に座る。

「どこ連れてかれるんだろう。なんか『ぷちお見合いツアー』らしいじゃん。これ」

「え?」

驚いて、奏ちゃんを見る。

この距離感を、完全に忘れていた。

平常心でいられる距離を、軽く越えて、奏ちゃんがいる。

どうしよう。

ドキドキしはじめちゃったじゃん。

毎日みたく顔を合わせてるのに、何だってこう、毎度毎度反応するかな。

頭の中で毒づいてみても、心拍数は変わらない。

「それも、教えてもらえなかったのか」
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