1/3の微妙なカンケイ
言って笑う。

「世の中にはかわいい子も綺麗な子も、それを兼ね備えた子も、いっぱいいいる。

何で好き好んで悠里で我慢しなきゃいけないんだって。

オレにはそんな拷問は耐えられないっていう、きちんとした理由がオレにはある」

「あ、そ」

「完璧な作戦だろ?」

「・・・そうだね。特にその理由が秀逸だわ」

頭にくるけど。

「じゃ、実行しようか」

「って、待って。何で今」

「だって、奏に彼女ができたら、どうする?仕掛けるのが、遅いくらいだ」

そうだけど。

「でもっ」

タクトはいっそう身を寄せて、間近から覗き込む。

「いらない?奏のこと」

耳元に言う。

「いるにきまってる。でも、絶対変なことふきこまないでよ」

険しい目で、制してやる。

でも、タクトはニッコリ笑って

「じゃな」

と、さっさと席を立つ。

…どうしてくれるんだろう。

ちらちら集めてしまった、この、みんなの視線。

何で、あいつはあんなに目立つんだ・・・


< 15 / 194 >

この作品をシェア

pagetop