1/3の微妙なカンケイ
あたしの中に敵意がゆらりと生い立って、タクトにロックオンする。

純粋な敵意、なのなら、どんなにいいだろう。

けれど、これは、タクトがやけを起こさないために、二人を、守るために、必要な、敵意。

「わかった、出る。で、負けない」

「よし」

タクトはニンマリ笑むと、

「ここに女の希望者第一号います!!」

申告してしまった。

「あ、あたしも!」

「あたしも出る!!」

クミちゃんと、サヤカちゃんが手を上げている。

「で?確認なんだけど」

みんなの視線をしっかり集めながら、タクトは言って、続けた。

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