1/3の微妙なカンケイ
帰りまで、奏ちゃんと一緒になってしまった。
朝はともかく、帰りは珍しい。
あたしは嬉しくて、奏ちゃんの姿を見つけた瞬間に、走り寄ってしまった。
「奏ちゃんっ。帰ろっ」
気配に気づいて振り返った奏ちゃんが、あたしを認めてふって笑う。
その笑い方に、ただならぬものを感じる。
「何?」
「今日、タクトに変なこと言われた」
「変なこと?」
「悠里が男嫌いだから、何とかしてやれって」
くらっとした。
「何となく、そうなんじゃないかなって思ってたから、大丈夫になるように、オレはちょっと距離感つめて、悠里に接してたんだけど。
・・・何か、オレのことは元々平気なんだって?」