1/3の微妙なカンケイ

賞品


「あら、あたしは出ないわよ。そんなに泳げないもの」

ユウキさんは泳ぐのを辞退した。

奏ちゃんも、なぜか出ないようだ。

そんな中で、遠泳大会が始まってしまう。

「って、タクト、泳げたっけ?」

急に思い出した。

タクト、昔泳げなかったのだ。

「残念ながら、いつまでも泳げないわけじゃない」

「そうか」

でも、なかなか信じられない。

気になるから、一応タクトのそばを泳ごう。

万が一の時には、ボートに乗ってる係りの人が助けてくれる。

あたしがそばにいれば、その人に、速やかに助けを求めることができる。

でも、何か、それでも不安だな。

タクトだし。
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