1/3の微妙なカンケイ
なんだかとっても親しげに喋ってるように見える。

何か、近くない?距離感。

何か、すごく楽しそうな顔してない?奏ちゃん??

もう、それしか、目に入らなくなる。

「じゃ、お先に」

それまであたしと付かず離れず泳いでいたタクトが、言った。

それから、一気にあたしを追い抜いた。

ああ・・・

タクトは、手加減してたんだ。

本当ははじめから、あたしなんか敵じゃなかった。

それでも、あたしを泳がせて。

もう少しのところで、ねじ伏せる。

あたしは脱力して、背中を下に、ぷかりと浮いた。

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