1/3の微妙なカンケイ
「タクトは気づいてたんだ」

「無謀なオレが泳ぐっていうのに、乗ってこなかった。

これは、よっぽど調子が悪いんだなって、気が付いた」

そうか。

気づくべきポイントはそこだったか。

敵意に乗っ取られてて、気づけなかった。

「じゃあな」

「え?タクトは?」

「みんなのとこ戻る。もう、邪魔しない」

え?

タクトは短く、深く、ため息をつく。

「鈍い奴だな。オレは、祐樹さんのとこに戻るんだ。奏のことはまかせた」

言って、走ってゆく。

「・・・って?」
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