1/3の微妙なカンケイ
「何か、悠里が可哀想になってきた」

独り言のように言って、奏に向き直る。

「あのな?悠里は昨日、誰目当てで必死に泳いでたと思う?」

「タクトがあおった」

「あおったのは確かだけど、あおっただけだ。悠里は誰の手を取った?」

「オレ。・・・だって、それはオレが・・・」

奏は混乱してきた様だ。

「いい加減気づいてあげなさい。オレなんか、生まれたときから知ってた
ぞ。・・・って、これ、前に悠里にも言ったような。・・・まあいいや」

「気づけって・・・」

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