1/3の微妙なカンケイ
「そういう人間、悠里は好き?」

覗き込んできかれて、あたしの心拍数がハネ上がる。

優しい目元。

でも、笑ってる。

あたしの口から、辛らつな返事が出るのを、期待してる。

「残念ながら、あたしは好きだけど。

誰も彼も、予測不能で大胆で、超絶美形で破天荒な、手に負えないヒトに惹かれるわけじゃない」

奏ちゃんは、くすっと笑いをもらす。

「それって、タクトのこと?」

「…そうかも。超絶美形ってのは、言いすぎだけど」

「言いすぎかなあ?」

「そうでなくもないかなあ」

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