1/3の微妙なカンケイ
「何で、笑ってるの?」

「絶対、いい、旦那さんだろうなって思った」

温和で、優しくて。

これは、結婚する相手への最大条件じゃないだろうか。

奏ちゃんはちょっとの間、黙った。

それから、グシュッとあたしの頭をかき混ぜた。

「うわっ、何すんのよっ」

「オレと悠里は幼なじみだぞ。

こんな狭い世界で片付こうとするな」

「何で~!?いいじゃん、楽で」

「楽さに逃げるんじゃないの。

そんなことしたら、世間にはもっといっぱいの男がいて、オレなんか比べ物にならないくらいのいい男だらけだってことを、学び損ねるぞ」

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