1/3の微妙なカンケイ
今度は、長~いため息をついた。

「そうだな」

「タクトといると、女の子の恨みを買うんだよ。

一緒にいても、大変なことばっかり。

あたしには、とても、タクトを引き止める役なんかできない」

だからだろうか。

必死で止めてる側の、奏ちゃんに、突然惹かれてしまった。

実は、そのときのことは克明に覚えてる。

「小学生のとき、臨海学校に行ったの覚えてる?」

「うん。

忘れるわけない。

そのときに、みんな、突き出た高い岩から、海へ飛び込んで遊んでて。

それに釣られてタクトもやろうとしたんだ」




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