1/3の微妙なカンケイ
「そう、それ。

あたしも、それが言いたかったの。

でも、どう見たって、タクトの飛び込もうとしてたのは、海の中じゃなくて」

「途中に突き出た岩の上で…こいつ、本気で馬鹿だなって、オレが気付いた瞬間だった」

そうなのか。

あたしはもっと前に気づいてたけど。

「奏ちゃんが止めに行ったんだよね」

「必死で、岩から引き摺り下ろした。

だって、あいつ、泳げなかったんだ。

だから、止めようとして。

で、下を見たら、絶対死ぬじゃんって場所で」

だから、あんなに必死で。

おかげで、あたしは、苦しいことになってしまった。

あんなに仲の良かった幼馴染の一人に、きっちり心を奪われた。


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