1/3の微妙なカンケイ
思ってると、

ふわっと、それは、あたしの頭にかかる。

「こういう雨は、ちょっと待ったら止むか、マシになるんだ。それなのに、かまわずに歩いてるんだから。…何か、あったの?」

タオルで、頭を拭いてくれてる。

でも、無駄だって気づいたみたい。

今度は、そっと、額や頬をぬぐってくれる。

何か、飼い犬を拭いてやってるような、そんな調子に見えなくもないけど。

きっと、奏ちゃんにとっては、それと同じ行為なんだろうな。

「…って、言いたくなかったらいいけど」

あたしは、噴出してしまった。

「何だよ」
< 79 / 194 >

この作品をシェア

pagetop