先輩のボタン【卒業記念ショートストーリー】
ちょっとやんちゃな先輩。
いつもなぜか走ってる先輩。
廊下は必ず真ん中を歩く先輩。
名前を覚えていてくれた優しい先輩。
涙が溢れるけれど、しっかりとこの目で見ておきます。
先輩の輝いた姿。
最高にかっこいい先輩の高校3年生の姿を目に焼き付けます。
先輩に出会えて、良かった…
私の高校生活は『先輩』でした。
明日から、私はどうなってしまうのかわかりません。
学校の中に先輩の姿がないことが想像できません。
赤いパーカーを着た生徒がいると、追いかけてしまうかも知れません。
もうこの場所で先輩を見ることができないと思うと…
涙が止まりません。
先輩が私にくれたドキドキを
私は忘れません。
卒業しないで…
ずっとここにいてください。