先輩のボタン【卒業記念ショートストーリー】
第2ボタン
『可憐!!!赤いパーカー見つけた!!こっちこっち!!』
腕を引っ張られて教室の窓から下を見た。
みんなが集まる運動場ではなく、
先輩が『カレン』って書いてくれたあの場所に…
先輩と先輩の友達が集まって胴上げをしていた。
迷うことなく
気付いたら叫んでた。
『先輩!!!!』
自分にこんな勇気があるなんて知らなかった。
窓の手すりにおでこくっつけて、必死で叫んだ。