先輩のボタン【卒業記念ショートストーリー】
胴上げをしている全員が私を見た。
あたりまえだよね…
全員『先輩』だもんね。
赤いパーカー着た私の大好きな先輩。
『あ!!俺のことだから!!』
そう言って、きょろきょろする他の先輩達に自分の顔を指差して笑った。
『先輩、待っててください!!』
階段を走った。
転びそうになりながら必死で走った。
これがラストチャンス。
後ろから聞こえる友達の走る足音に感動しながら…
先輩の元へ…