闇の天使~月夜の天使・番外編
天使の泉
コンコン。
「天使の泉」の占いの部屋をノックする音が届く。
今日は特別な客が来る日だったわね。
私は飲みかけていたブラックコーヒーをテーブルに置き、香織が入ってくるのを待ち構える。
黒のパンツスーツを秘書らしく小奇麗に着こなした香織が、ドアを開けて一礼すると、私の前まで歩いてきた。
「いずみさん、今日のお客ですが・・・」
香織は少しためらった表情で、客が書いた名前と生年月日のリストを私に差し出そうとした。
「わかってるわ。『彼女』が来たのね」
私がそう言うと、香織は表情を和らげ、「そうですね。この日が来ることはわかってらっしゃいましたものね」と言ってリストを置き部屋を出て行く。
わかっていた・・・。
そう、私、月野いずみには、
少しの予知能力と、わずかばかりの過去の記憶を読む力が備わっていた。
月の闇から与えられた力。
私には決して持ち得なかった力。
それを与えてくれたのは・・・・あなた。
「天使の泉」の占いの部屋をノックする音が届く。
今日は特別な客が来る日だったわね。
私は飲みかけていたブラックコーヒーをテーブルに置き、香織が入ってくるのを待ち構える。
黒のパンツスーツを秘書らしく小奇麗に着こなした香織が、ドアを開けて一礼すると、私の前まで歩いてきた。
「いずみさん、今日のお客ですが・・・」
香織は少しためらった表情で、客が書いた名前と生年月日のリストを私に差し出そうとした。
「わかってるわ。『彼女』が来たのね」
私がそう言うと、香織は表情を和らげ、「そうですね。この日が来ることはわかってらっしゃいましたものね」と言ってリストを置き部屋を出て行く。
わかっていた・・・。
そう、私、月野いずみには、
少しの予知能力と、わずかばかりの過去の記憶を読む力が備わっていた。
月の闇から与えられた力。
私には決して持ち得なかった力。
それを与えてくれたのは・・・・あなた。