桜風 〜春の雪〜

「アイツに……会いたい?」


あたしの心の声を聞いていたかのように


一馬が…寂しげな顔で覗き込む。


「…………。」


あたしは…何も答えられずに…


地面に模様を作る滴を見ていた……。



会いに行っても…いいのかな……?


あたしの中に浮かぶ答えの見えない疑問と……


春雪の運命を受け止める強さのない


未熟な心……



「本当は…アイツだって、待ってると思うよ。」



一馬の声が何度も響いて……

思いが溢れ出した。





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