桜風 〜春の雪〜

朝目が覚めると…

目が殆ど開かないくらい腫れていた。


昨日…あれだけ泣いたんだから…

仕方ないか…


独り言で自分を納得させながら

氷を取りに台所へと階段を降りてゆく…


氷を入れたビニール袋を目に押し当てながら

洗面所の鏡に目を移す…


ニコッ

鏡に映されたあたしの笑顔は……

御世辞にも可愛いなんて言えない代物…


でも………

昨日までのあたしは…

もういない……


春雪の為に出来ること……。


あたしに…何が出来るのか…?


正直…まだわからない……。



けど…


辛いときは、笑っていよう…。


強くなって……



いつか……………



もう一度春雪に会いたい……。




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