桜風 〜春の雪〜

あたしは……

今日も……

この木の前に…

立っている………。


大好きな…桜の木…

あたしをこの学校へ導いた…

一本の木




風に吹かれながら儚くも
パラパラと落ちる葉……

あたしは…その向こう側に…




……見覚えのある姿を見つけた。



ゆっくりと…近づいてくる


小さな影……


瞳の先には……


思い出の溢れる…この木

お婆ちゃん…?


お婆ちゃんは…一歩ずつ

思い出を辿りながら…


向かってくる…。



「あら?あなたは……。また、会ったわねぇ〜。」



あたしに気づいた、お婆ちゃんは…

満足そうな笑みを浮かべながら…

あたしの隣に立った。






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