桜風 〜春の雪〜
……
「花梨…あたし知ってるから…。」
モウアタシタチ……
トモダチジャナイ…
トモダチジャナイ……
「行かないで!」
あたしは
ちぎれるんじゃないかって位―――
手を伸ばしたけれど…
アユミの細い右手はもう
何処にも無くて……
あたしの手は虚しく宙を切った。
……??
あれ?
何も掴めなかったはずの手に暖かい感覚を感じる…。
そっか…
あたし夢見てたんだ。
「アユミ…!!」
夢から覚めた体を、あたしは強引に押し上げた。
頭がクラクラする…。
視界はユラユラとグラツきながら…
しだいに……
色を確かめるように戻ってゆく―――。
ツンと鼻につくアルコールの匂い
真っ白な仕切りのカーテン
あたしの右手には――
確かに温かい感触があった。
「な、なんで!?」
いつものように無愛想な顔をして
そっぽを向いている――――
森定くんがいたんだ………。
誰にも気づかれずに、あたしの運命が動き出した瞬間……
どんな結末が、待っているかなんて……
誰にもわからない、短くて長い運命の始まりだった……。
.
「花梨…あたし知ってるから…。」
モウアタシタチ……
トモダチジャナイ…
トモダチジャナイ……
「行かないで!」
あたしは
ちぎれるんじゃないかって位―――
手を伸ばしたけれど…
アユミの細い右手はもう
何処にも無くて……
あたしの手は虚しく宙を切った。
……??
あれ?
何も掴めなかったはずの手に暖かい感覚を感じる…。
そっか…
あたし夢見てたんだ。
「アユミ…!!」
夢から覚めた体を、あたしは強引に押し上げた。
頭がクラクラする…。
視界はユラユラとグラツきながら…
しだいに……
色を確かめるように戻ってゆく―――。
ツンと鼻につくアルコールの匂い
真っ白な仕切りのカーテン
あたしの右手には――
確かに温かい感触があった。
「な、なんで!?」
いつものように無愛想な顔をして
そっぽを向いている――――
森定くんがいたんだ………。
誰にも気づかれずに、あたしの運命が動き出した瞬間……
どんな結末が、待っているかなんて……
誰にもわからない、短くて長い運命の始まりだった……。
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