桜風 〜春の雪〜

「花梨〜!心配したんだから!」


急にいなくなったあたしを探していたみんなが

あたし達の間に割ってはいる……


「皆さんも……ありがとうございました。」



お母さんは深々と頭を下げると…


春雪の元へと……


消えてしまいそうな後ろ姿を残して

戻ってゆく………




「待ってください…!
春雪と……
最後のお別れ…させてもらってもいいですか?」



「どうぞ……こちらへ…」




あたしは、みんなに

"大丈夫だよ。"

って笑みを浮かべる。



春雪へと続く……短くて……長い距離……



あたしは……一歩ずつ……

確実に………


春雪との別れの道を歩んでいった……。






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