桜風 〜春の雪〜

「花梨…ちょっと話あるんだけど…。」



雑巾を力一杯絞りながら一馬が言った……。


「どうしたの?あらたまっちゃってさぁ〜。」



茶化したあたしに

一馬は……


そっぽを向いてふてくされたように頬を膨らます…。


これも……

春雪と同じ癖だ。


あたしは…遠い過去を見つめて、そこにいる春雪の姿に微笑みかける……


「俺、鍵閉めていくから!裏庭で待ってて?」




「うん…わかったよ。」



一馬に言われて

あたしは先に裏庭で待つことにした………



沢山の思い出が詰まった……


あの場所で……。




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