桜風 〜春の雪〜
なんだか……
今日は悪い一日じゃなかったな!
赤というよりも、金色に近い夕陽を見ていた……
苦手だった森定くんの
可愛い一面も発見出来たし…
たまには貧血で倒れるのも悪くない……。
ん………?
そう言えば……何であたし倒れたんだっけ……?
「あ゛…!!!」
さっきまでルンルン気分で歩いていたあたしは、勢いよくその場に立ち止まった。
「アユミとサンセット行く約束してたのにぃ〜!!」
突然、脳裏に蘇ったアユミとの約束…。
「プクククク……!」
へ…?
思考を遮る、生暖かい笑い声……
あたしは、変な笑い声の主を見上げた
「おまえ、今頃気づいたのかよ!
片桐さんならおまえをよろしくって言って先帰ったよ…!」
えぇ!!
片桐さんってのは、アユミの事。
美人で近寄りがたい雰囲気を持っている彼女のことを……
男子は大抵"さん"付けで呼ぶんだ。
「そう言えば…おまえ、寝言で焼きそばなんとか…って言ってたよ…!!」
ウソ!超ハズイじゃん!!
あたしは、急に恥ずかしくなって
地面を睨みつけた……。
ん……
ヒンヤリとしたアスファルトの冷静な姿が、あたしにまた一つ、疑問を投げかける……
「って言うか……さっきから人のことおまえ、おまえって〜!!さん付けで呼びなさいよぉ!!」
貧血から目覚めてから、何か引っかかっていた違和感にやっと気づいたあたしは――
森定君をキッって睨みつけた。
「プクククク…」
よっぽどツボに入ってしまったのか
彼は笑いを必死にこらえながら
「じゃあ、呼び方考えとくよ…。」
って笑って見せた。
もう……
これじゃあ……
怒れないじゃん!
なんか、森定君の笑顔って不思議……
いつも無愛想なせいか、笑うとたまらなく可愛く思える。
あたしは、そのギャップと心をくすぐる笑顔に、ちょっとだけドキドキしている自分に気づいて、彼を見上げた…。
.
今日は悪い一日じゃなかったな!
赤というよりも、金色に近い夕陽を見ていた……
苦手だった森定くんの
可愛い一面も発見出来たし…
たまには貧血で倒れるのも悪くない……。
ん………?
そう言えば……何であたし倒れたんだっけ……?
「あ゛…!!!」
さっきまでルンルン気分で歩いていたあたしは、勢いよくその場に立ち止まった。
「アユミとサンセット行く約束してたのにぃ〜!!」
突然、脳裏に蘇ったアユミとの約束…。
「プクククク……!」
へ…?
思考を遮る、生暖かい笑い声……
あたしは、変な笑い声の主を見上げた
「おまえ、今頃気づいたのかよ!
片桐さんならおまえをよろしくって言って先帰ったよ…!」
えぇ!!
片桐さんってのは、アユミの事。
美人で近寄りがたい雰囲気を持っている彼女のことを……
男子は大抵"さん"付けで呼ぶんだ。
「そう言えば…おまえ、寝言で焼きそばなんとか…って言ってたよ…!!」
ウソ!超ハズイじゃん!!
あたしは、急に恥ずかしくなって
地面を睨みつけた……。
ん……
ヒンヤリとしたアスファルトの冷静な姿が、あたしにまた一つ、疑問を投げかける……
「って言うか……さっきから人のことおまえ、おまえって〜!!さん付けで呼びなさいよぉ!!」
貧血から目覚めてから、何か引っかかっていた違和感にやっと気づいたあたしは――
森定君をキッって睨みつけた。
「プクククク…」
よっぽどツボに入ってしまったのか
彼は笑いを必死にこらえながら
「じゃあ、呼び方考えとくよ…。」
って笑って見せた。
もう……
これじゃあ……
怒れないじゃん!
なんか、森定君の笑顔って不思議……
いつも無愛想なせいか、笑うとたまらなく可愛く思える。
あたしは、そのギャップと心をくすぐる笑顔に、ちょっとだけドキドキしている自分に気づいて、彼を見上げた…。
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