桜風 〜春の雪〜
春雪…

聞いてた??

一馬があたしのこと好きだって……


春雪…

ごめんね……

あたし…嬉しいって…

思っちゃった……。




しばらくの沈黙の後……


あたしに残された選択肢は…

なかった……。



「一馬…ごめん。」


「まだ…春雪が…好き?」


「あたし…春雪を裏切れない。」


ありきたりで、陳腐な言葉がこぼれる…

本当は……

少しずつ…気づいてた…。


一馬の存在が、あたしの中でどんどん大きくなってることに……


でも…あたし……

一馬に好きなんて言えないよ……




春雪……

あたし…


どうすればいい?





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